Try Toとtry -ingの違いとは?誤解を生む決定的な差をプロが徹底解説
英語のメールや英会話で「やってみます」と伝えたいとき、何気なく「I will try to do it」と「I will try doing it」のどちらかを使っていませんか。実はこの2つ、ネイティブスピーカーにとっては受け取る印象やニュアンスが180度異なる表現です。状況に合わせて正しく使い分けないと、やる気がないように誤解されたり、逆に過度な困難に立ち向かっているように伝わったりするリスクがあります。
自動翻訳ツールやAIチャットが日常に定着した現在でも、細かなニュアンスの使い分けは人間のコミュニケーションやビジネスシーン、さらにはTOEICや大学入試において極めて重視される要素です。今回は、英語学習者がつまずきやすい「try to」と「try -ing」の決定的な違いや覚え方のコツ、試験で役立つ識別テクニックをわかりやすく解剖していきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「try to」は困難なことに向かって「〜しようと努力・挑戦する(実際できたかは不明)」を意味する。
- 要点2:「try -ing」は実際に行動に移し「試しに〜してみる」という軽い実験的なニュアンスを表す。
- 要点3:不定詞の持つ「未来・矢印の方向性」と動名詞の持つ「現実・実際の動作」というコアイメージで完璧に識別できる。
【決定的な差】「try to do」と「try doing」の意味・ニュアンスの違い
英語学習において頻出する「try to do」と「try doing」は、どちらも日本語では「〜してみる」「〜しようとする」と訳されがちです。しかし、根本にある心理状態や結果への見通しには明確な境界線が存在します。
まず、「try to do(不定詞)」の意味は「(困難が伴うことを)何とか成し遂げようと努力する・奮闘する」です。目標に向かってエネルギーを注いでいる状態を指しますが、焦点は「試みること」そのものにあり、結果として達成できたかどうかは別問題となります。場合によっては「試みたけれど失敗した」という含みを持つ場面も少なくありません。
対照的に、「try doing(動名詞)」の意味は「(結果はどうあれ)ひとまず試しに〜してみる」です。行動を起こすこと自体のハードルは低く、「気軽な試み」「実験的なアプローチ」を指します。すでにその行為を実際に行っている、あるいは行うことが確定している点が特徴です。
たとえば、不眠に悩んでいる友人に対して「薬を飲んでみたら?」と助言する場合を考えてみてください。「You should try taking this medicine.」と言えば「試しにこの薬を飲んでごらん」という自然なアドバイスになります。一方、「You should try to take this medicine.」と言うと、「薬が大きくて喉を通らないかもしれないけれど、頑張って飲み込んでみて」という奇妙なニュアンスになってしまいます。
なぜ意味が変わる?不定詞(to do)と動名詞(doing)が持つ本質的な世界観
なぜ同じ「try」という動詞の後ろに置くだけで、これほど意味が乖離するのでしょうか。その理由は、英語の不定詞(to do)と動名詞(-ing)が持っている固有のコアイメージにあります。
不定詞の「to」は前置詞の「to」と同じルーツを持ち、「〜へ向かう矢印(未来・方向性・到達目標)」を象徴します。まだ到達していない未来の目標へ向かって力を注ぐため、「これから〜することを目指して努力する(try to)」というニュアンスが生まれます。
一方、動名詞の「-ing」は現在進行形と同じく、「生き生きとした現実の動作・進行中の場面」を切り取ったイメージです。頭の中で思い描くだけでなく、実際にその行為に足を踏み入れている感覚を伴うため、「現実にそのアクションを試してみる(try -ing)」という意味合いに直結します。
このコアイメージを頭に入れておくだけで、暗記に頼らずとも状況に応じた自然な使い分けが可能になります。
【場面別例文】日常会話やビジネスで役立つ「try to」と「try -ing」の実例
実際の会話やビジネスメールでどのように使い分けられているのか、具体的な例文で比較してみましょう。
【ケース1:仕事の締め切りやタスクへの対応】
・「I will try to finish the report by 5 PM.」
(午後5時までにレポートを終わらせられるよう全力を尽くします/努力します)
※5時までに終わらせるのは簡単ではないが、必死に取り組む姿勢を示しています。
・「I will try using the new project management tool.」
(新しいプロジェクト管理ツールを試しに使ってみます)
※ツールを使うこと自体に苦労はなく、使い勝手を確かめるために実際に操作してみるニュアンスです。
【ケース2:トラブルシューティング】
・「I tried to open the jammed door, but it was locked.」
(引っかかったドアを開けようと力を込めたが、鍵がかかっていた)
※ドアは開きませんでした。努力したものの達成できなかった状況です。
・「The room was hot, so I tried opening the window.」
(部屋が暑かったので、試しに窓を開けてみた)
※窓は実際に開けました。「開けた結果、涼しくなるかどうかを試した」という意味になります。
TOEIC英文法や高校英語の試験で失点しない!文法使い分けと出題パターン
高校英語の文法問題やTOEIC Part 5・Part 6において、「try to」と「try -ing」の識別は頻出テーマの一つです。文脈を正しく読み取らなければ、文法的にはどちらも当てはまるように見えて失点する罠が仕掛けられています。
試験で見分ける最大のカギは、「文脈上に困難さや障害の描写があるか」、あるいは「問題解決のための気軽な提案・実験か」を瞬時に見極めることです。
たとえば、文中に「despite the difficulty(困難にもかかわらず)」や「failed to(〜し損ねた)」といった語句が後続する場合、空欄に入るのは努力に焦点を当てる「try to do」が正解となります。一方、「Why don't you...?(〜してみてはどうですか?)」のようなアドバイスの文脈や、解決策のアイデアを列挙するシーンでは「try doing」が正解になりやすい傾向があります。
試験本番では「後ろに続く動詞の動作がすでに実行されたのか、それとも未来の到達目標として挑んでいるのか」を時間配分の中で素早くジャッジする癖をつけておきましょう。
「remember / forget」も同じ!合わせて押さえたい不定詞・動名詞の派生パターン
後ろに不定詞を取るか動名詞を取るかで意味が激変する動詞は、「try」だけではありません。受験英語や各種検定試験でセットとして狙われる代表格が「remember」「forget」「regret」「stop」です。
これらの動詞も、先述した「to = 未来(これからすること)」「-ing = 過去・現実(すでにしたこと)」のコアイメージを適用するだけで一瞬で整理できます。
【remember / forget の違い】
・remember to do:忘れずに(これから)〜する
・remember doing:(過去に)〜したことを覚えている
・forget to do:(これから)〜することを忘れる(うっかり忘れて未実施)
・forget doing:(過去に)〜したことを忘れる
【regret / stop の違い】
・regret to do:残念ながら(これから)〜しなければならない
・regret doing:(過去に)〜したことを後悔する
・stop to do:〜するために(立ち止まる)※このto doは目的を表す副詞的用法
・stop doing:〜するのをやめる(行っていた動作を中断する)
このようにグループ化して根本ルールをインプットしておくと、単語ごとの丸暗記から脱却でき、応用力が飛躍的に高まります。
【try toとtry -ingの違い】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:相手に「やってみて!」と軽く勧めるときはどちらを使うのが自然ですか?
A1:気軽に提案・推奨する場合は「Try doing it!」または「Just try it!」が自然です。「Try to do it!」と言うと「難しいと思うけれど頑張って挑戦してみて!」という強い激励や負荷を伴う響きになります。
Q2:過去形の「tried to」は、必ず失敗したことを意味しますか?
A2:厳密には100%失敗したと断定する文法規則ではありませんが、実際の会話や文章では「tried to do, but...(〜しようと頑張ったけれどダメだった)」という文脈で使われるケースが極めて多く、結果的に失敗したニュアンスを暗に含みます。
Q3:ビジネスシーンで「努力します」と丁寧に応答したい場合の最適解は?
A3:「I will try to handle this issue promptly.(この問題に迅速に対処できるよう尽力します)」のように「try to」を使用します。さらにフォーマル度を高めたい場合は「I will make every effort to...」や「I will do my best to...」に言い換えるのも効果的です。
まとめ:文脈に合わせて「努力」と「試し」をスマートに使い分けよう
「try to」と「try -ing」の差異は、単なる文法上の知識にとどまらず、話し手の熱量や行動の事実関係を正確に伝えるための重要ツールです。未来への矢印に向かって踏ん張る「try to(努力)」と、実際のアクションをまず起こしてみる「try -ing(試し・実験)」。この2つの世界観をしっかりと整理しておけば、日常会話の誤解を防げるだけでなく、英語試験でも迷わず確信を持って正解を選び取れるようになります。 (出典: try to try ing(Yahoo!ニュース))