「なんだこの階段は」SNS騒然!壁で行き止まる無用階段の正体と真相
街中を歩いていて、あるいはSNSのタイムラインを眺めていて、思わず二度見してしまう光景に出くわすことがあります。登った先が頑丈なコンクリート壁で塞がれている階段や、昇って降りるだけでどこにも出入り口がないステップ。写真とともに「なんだこの階段は」と投稿された画像には、数万件規模の「いいね」が寄せられ、定期的に大きなバズを生み出しています。
一見すると工事中のやり残しや設計ミスのように思える不可解な構造物ですが、その背景を紐解くと、都市の変遷や建築にまつわる深い歴史、さらには昭和から続くカルチャーの存在が浮かび上がってきます。なぜこのような行き止まり階段が街中に生まれ、今なお撤去されずに残されているのでしょうか。その驚きの理由と現地の真相に迫ります。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:SNSで話題の「なんだこの階段は」の多くは、単なる建築ミスではなく建物の増改築や解体に伴う歴史の痕跡。
- 要点2:役目を終えて美しさだけが残った構造物は、前衛芸術家・赤瀬川原平らが名付けた「超芸術トマソン」として知られる。
- 要点3:メディアでも度々特集される無用階段は、都市の再開発とともに姿を消しつつある貴重な路上アートでもある。
【SNSで拡散】「なんだこの階段は」とネットがざわつく珍建築の現状
X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのショート動画プラットフォームでは、街で見かけた奇妙な風景を切り取った珍建築のおもしろ画像が頻繁にトレンド入りを果たします。中でも圧倒的な投稿数を誇るのが、登ってもどこにも行けない「行き止まり階段」や、空中に突き出したままのステップです。
投稿には「RPGの隠し通路か?」「開発途中のマップバグ実写版」といったユーモラスなコメントが殺到し、ネットの反応を見ても人々の好奇心を強く刺激していることが分かります。日常の風景の中に突如として現れる非日常的な違和感が、デジタルネイティブ世代の目にも新鮮なエンターテインメントとして映っているのです。
【意味のない階段はなぜ生まれた?】建築ミスではない驚きの理由と真相
誰もが抱く「意味のない階段はなぜ作られたのか」という疑問に対し、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「建築ミスによる階段の放置」かもしれません。しかし、実際の現場を調査すると、最初から無意味に作られたケースは極めて稀です。
なんだこの階段はと疑問を持たれる理由の大半は、建物の「減築」や「隣接構造物の解体」にあります。かつて2階にあった店舗や住居への専用外階段だったものが、リノベーションや用途変更でドアが壁で塞がれ、階段部分だけが残されたケース。あるいは、2つの建物を繋いでいた渡り廊下や歩道橋が撤去され、昇降口だけが取り残されたケースなどが典型例です。
さらに、撤去費用や構造強度の問題も関係しています。階段を解体するには多額のコストがかかるうえ、擁壁やビルの基礎と一体化している場合、階段を無理に削り取ると地盤や建物の安全性を損なう恐れがあります。「あえて残すほうが安全で安上がり」という合理的な判断が、結果として不可解な行き止まり階段の真相を生み出しているのです。
【超芸術トマソンの原点】赤瀬川原平と路上観察学会が発見した「無用階段」の美学
こうした実用性を失った階段を、単なる障害物ではなくひとつの「鑑賞対象」として世に知らしめたのが、前衛美術家であり作家の赤瀬川原平氏です。1972年、赤瀬川氏は東京・四ツ谷の路上で、登り口と降り口がありながら昇降以外の機能を一切持たない階段を発見しました。
赤瀬川氏はこれを「純粋階段」と呼び、不動産に付着して美しく保存された無用の長物を「超芸術トマソン」と命名しました。名前の由来は、当時読売ジャイアンツに高年俸で迎えられながら全く打てなかった助っ人外国人選手、ゲーリー・トマソン氏の「堂々と佇みながら役に立たない姿」から取られています。
その後、赤瀬川氏や建築家の藤森照信氏らによって路上観察学会が結成され、全国の無用階段とトマソンを探索・記録するムーブメントへと発展しました。現代のSNSで「なんだこの階段は」と写真を撮ってシェアする行為は、まさに昭和後期から続く路上観察のDNAがデジタルの形で受け継がれたものと言えます。
【テレビでも話題】『ナニコレ珍百景』に登場した奇妙な階段と全国の有名スポット
テレビ朝日系の人気番組『ナニコレ珍百景』でも、全国各地の奇妙な階段は定番のキラーコンテンツとして度々紹介されています。番組内で珍百景登録されたスポットをはじめ、ネット上でなんだこの階段がある場所として特定されている代表的なロケーションには以下のような特徴があります。
例えば、傾斜地の多い長崎県や尾道市(広島県)などの坂の街では、住宅の建て替えによって道と敷地の高低差が変わり、かつての玄関へ続いていた階段だけが宙に浮いた状態で残る風景が散見されます。また、東京都内の下町エリアや地方のレトロな商店街の路地裏にも、かつての増築ブームの痕跡を残す無用階段がひっそりと佇んでいます。
ただし、これらの場所の多くは私有地や閑静な住宅街に位置しています。現地を訪れる際はマナーを守り、住人のプライバシーを侵害しない配慮が欠かせません。
【異世界への扉?】ネットの反応に見る「おもしろ画像」と現代の路上カルチャー
無用階段の写真は、今や単なる街角の記録を超えて、ネットミーム(文化的な流行)として世界中に拡散されています。「壁に激突する階段」や「2段登ってすぐ降りる謎の盛り上がり」など、直感的に不条理さを笑えるビジュアルは、言葉の壁を越えて海外のSNSユーザーからも熱狂的なリアクションを集めています。
合理性と効率性が徹底的に追求される現代の都市空間において、こうした「役に立たないけれど、なぜかそこにある空間」は、どこか奇妙な愛嬌とノスタルジーを感じさせます。忙しい日常の隙間にフッと現れる無意味な造形が、私たちの想像力を心地よく刺激してくれるのです。
【なんだこの階段は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:なぜ意味のない階段をそのまま残しておくのですか?
A1:最大の理由は撤去工事にかかる費用と構造上の問題です。階段を撤去するだけで数十万〜数百万円の解体費がかかる場合があり、さらに隣接する擁壁や基礎と一体化していると、削ることで耐震性や地盤強度に悪影響を及ぼす恐れがあるため、そのまま残されるケースが多く見られます。
Q2:トマソンと普通の欠陥住宅や建築ミスの違いは何ですか?
A2:超芸術トマソンの定義は「かつては実用的な意味があったものが、改修や解体によって役目を失い、かつ丁寧に保存・維持されている状態」を指します。施工業者の単純な設計ミスや手抜き工事とは異なり、街の歴史的変化のプロセスで偶然生まれた産物である点が決定的に異なります。
Q3:有名な「純粋階段」は現在も見学できますか?
A3:赤瀬川原平氏が発見した四ツ谷の元祖・純粋階段をはじめ、昭和〜平成期に有名だった物件の多くは、近年の都市再開発やビルの建て替えによって姿を消しています。しかし、現在も古い住宅地や高低差のある街並みを探せば、新たな無用階段が日々誕生・発見されています。
まとめ:街角に残る「意味のない階段」が教えてくれる都市の記憶
SNSで話題をさらう「なんだこの階段は」というつぶやき。その背後には、建物の建て替えや街の移り変わり、そして安全性とコストのバランスから生まれたリアルな理由が存在していました。
一見すると無駄で奇妙に見える階段も、かつてそこを登り降りしていた人々の暮らしや、街が歩んできた時間の厚みを今に伝える「都市の化石」です。いつもの通勤路やお散歩の途中、ふと視線を上げてみてください。あなたの街にも、過去と現在が交差する不思議な階段がひっそりと隠れているかもしれません。 (出典: なん だ この 階段 は(Yahoo!ニュース))